(Tap)
「もしもし」
「あーもしもし!かまちちゃん?!」
「…」
「良かった元気してたみたいねぇ!お母さん心配で心配で」
「なんか、早くなってねぇか」
「え?」
「確認の電話」
「だってぇ…かまちちゃん電話くれないし…寂しいんd」
(Tap)
(再び着信音が鳴り響き)
(Tap)
「やだもーかまちちゃん嬉しさでほっぺが画面に当たっちゃったの?」
「意図的にやったんだよ…用ねぇなら切るぞ」
「かまちちゃんの声を聞く用事があります。キリッ」
「キリッ、とか口で言ってんじゃねぇよ…」
「いや、最近めっきり寒くなってきたでしょう?体調崩してない?」
「あー……こっち結構暖ったけぇから気がつかんったわ」
「いいなぁ。私もお隣さんトコの奥さんとスカイツリー見に行きたいわー」
「はいはい。その内旅行でも何でもくりゃあいいじゃねぇか」
「じゃあ行くー♪あ、姉もいk」
「アレは駄目だ」
「即答」
「絶対ぇ駄目だ」
「えー家族旅行…」
「駄 目 だ !」
「むー…」
「ああ、あのよ」
「ん?なぁに?」
「アイツ、今どうしてる」
「…変わらず。ちょっと細くなってイケメンになったかな」
「…運動してねぇしな……」
「アンタの方はどうなの?」
「あ?」
「おでこ」
「…」
「まだ痛い?」
「……極稀に、ちと疼く」
「そう…見た目は?」
「はっきり残ってんよ。ま、正直この学校じゃ全然目立たないレベルではある」
「やだーアタシのかまちちゃんに傷なんて残ろうモンなら…やっぱ整形外科行こう!」
「行かねーよ、馬鹿」
「むー…」
「ああ、そろそろ切るぞ。ツレが待ってんだ」
「え?彼女?!」
「ちげーよ馬鹿親」
「ああ、お仲間さんか!仲良くしなね!」
「はいはい」
「それにしても」
「ああ?まだなにかあn」
「元気になったね」
「……」
「安心したかも。それじゃ、また2週間後!」
(プッ ツー ツー ツー)
「…元気、か。どうなんだろうな」
(Home Tap)
PR